ベッドやマットレスは大きくて重く、自宅での一時保管が難しい家具のひとつ。引っ越しやリフォーム、部屋の模様替えなどで一時的に収納場所が必要なときは、トランクルームがおすすめです。
しかし、湿度やカビのリスクを考慮せずに預けてしまうと、マットレスのカビや傷みにつながる可能性もあります。本記事では、ベッド・マットレスをトランクルームに安心して保管するための基礎知識から、準備方法・失敗しないポイントまで徹底解説します。
トランクルームにベッド・マットレスは保管できる?知っておくべき基本

結論として、ベッド・マットレスはトランクルームに保管可能です。ただし、保管環境を誤るとカビや湿度による劣化が起こりやすくなります。
トランクルームのタイプ別に、保管環境の特徴を見ていきましょう。
- 屋内型:空調管理が行き届き、湿度や温度を保ちやすい
- 屋外型:空調がなく、高温多湿や結露のリスクがある
ベッド・マットレスの保管は、湿度・温度の影響を受けにくい屋内型の方が向いています。
また、サイズが大きいベッドは、搬入経路や部屋の広さも考慮しなければなりません。詳しくは>>ベッド保管用のトランクルーム選びで失敗しない4つのポイントで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
カビを防ぐ!トランクルーム保管前のベッド・マットレス準備マニュアル

ベッドやマットレスをそのままトランクルームに預けると、湿気やホコリ、害虫の影響を受けやすくなります。カビや劣化を防ぐためには、保管前の準備が欠かせません。
ここでは、分解から清掃、湿気対策、梱包方法までステップごとに解説します。
ステップ① ベッドフレームの分解と清掃
まずベッドフレームは分解し、パーツごとに清掃しておきましょう。ネジや金具部分にほこりやサビが残っていると、長期保管中に劣化が進む原因になります。
フレームを拭き上げる際には、乾いた布や中性洗剤を使用し、しっかり乾燥させることが大切です。分解しておくことで搬入もスムーズになり、収納スペースを効率的に使えます。
ステップ② マットレスの湿気対策と汚れ落とし
マットレスは湿気や汚れを放置するとカビが発生しやすくなります。特に皮脂や汗の汚れは内部に残りやすく、放置すると悪臭やシミの原因となるため注意が必要です。
布団乾燥機や天日干しで内部の湿気を飛ばす
保管前には布団乾燥機を使用するか、天日干しでしっかり湿気を取り除きましょう。湿度を抑えておくことで、トランクルーム内でも清潔な状態を長く維持できます。
汗や皮脂などの汚れを除去する
マットレスに残った汗や皮脂などの汚れは、カビ・ダニの発生原因となるため、収納前に除去しましょう。
- 汗(黄ばみ)と皮脂:重曹水で拭き取る(必ず乾燥させる)
- 飲み物のシミ :中性洗剤を使って拭き取る
- カビ :消毒用エタノールでたたき拭き
- ダニ :布団乾燥機後に掃除機で吸い取る
ただし、マットレスによっては、中性洗剤や水洗い、エタノールなどを使用できない可能性もあります。必ず製品表示を確認し、使用できるか判断してください。
ステップ③ 害虫とホコリから守る梱包
保管中のマットレスやベッドフレームは、害虫やホコリの付着を防ぐために適切な梱包が必要です。通気性のないビニール袋は結露の原因となるため避け、専用カバーや不織布素材の収納袋を使用しましょう。
また、フレームはパーツごとに緩衝材で包み、輸送時や収納中の傷を防いでください。
マットレスは専用カバーで完全に覆う
マットレス専用の防湿カバーを使えば、湿気やホコリから守れます。市販のカバーはサイズごとに販売されているため、ベッドに合ったものを選びましょう。
ベッドフレームはパーツごとに緩衝材で包む
フレームは部品ごとにプチプチや段ボールで包み、保管中の傷や変形を防止します。金具部分は錆びやすいため、乾いた状態でしっかり覆ってから収納すると安心です。
実践編 トランクルームでのベッドの正しい保管方法

事前準備を終えたら、次は実際にトランクルームにベッドを保管する段階です。保管環境を整えることで、湿気やカビの発生を防ぎ、長期的に清潔で安全な状態を維持できます。
ここでは、具体的な設置方法や便利なアイテムの使い方を解説します。
マットレスは壁から離して立てて保管する
マットレスを壁に密着させて保管すると、結露や湿気がこもりカビの原因になります。壁から10㎝ほど離し、立てて保管することで通気性を確保できます。
すのこを活用して通気性を最大限に確保する
マットレスやフレームを直に床へ置くと、湿気がこもりやすくなります。すのこや木製パレットを下に敷くことで、空気が循環しやすくなり、湿度を抑える効果が期待できます。
空調設備が完備されたトランクルームであれば、温度・湿度の影響を受けづらいものの、長期保管の際は念のため対策しておきましょう。
除湿剤と防虫剤を効果的な場所に設置する
トランクルーム内では湿度や害虫対策を徹底することが重要です。マットレスの下や収納袋の周辺に除湿剤を配置することで、湿気による劣化を防げます。
また、防虫剤を併用すればダニや害虫の侵入リスクを下げられます。ただし、除湿剤や防虫剤は定期的に交換することを忘れないでください。
ベッド保管用のトランクルーム選びで失敗しない4つのポイント

ベッドやマットレスを安全に保管するには、トランクルームの種類や設備を慎重に選ぶ必要があります。ここでは、特に見落としやすい4つのチェックポイントを解説します。
ポイント① 空調設備が完備された屋内型を選ぶ
ベッドの保管には、温度・湿度が安定した屋内型トランクルームが最適です。空調設備が整っていればカビやダニの発生リスクを大幅に下げられます。
屋外型コンテナは湿気や結露の影響を受けやすく、マットレスの保管には不向きです。長期利用を考えているなら、必ず空調完備の施設を選びましょう。
ポイント② ベッドサイズに合った適切な広さを確認する
ベッドは大型家具のひとつであり、収納スペースには十分な広さが必要です。シングルやセミダブル、ダブルなどサイズに応じたスペースを選ばないと、搬入が難しくなるだけでなく他の荷物が収納できなくなります。
- 広さの目安は1.5帖(面積:約2.4㎡、高さ:約2m)
- マットレスは横にして、壁に立てかける
一般的なキングサイズまでであれば、上記の広さで収納できます。
注意点として、マットレスを縦にしつつ壁に立てかけると、内部が変形する恐れがあります。状態を維持しつつ収納したい場合は、必ず横向きにして壁に立てかけましょう。
ポイント③ 搬入経路とエレベーターの有無をチェック
ベッドフレームやマットレスは大きく重いため、搬入経路が確保されているか事前確認が欠かせません。特に屋内型ではエレベーターの有無が重要で、階段しか使えない場合は搬入に手間がかかります。
駐車場からトランクルームまでの距離や通路の幅も確認しておくと安心です。
ポイント④ 衛生管理が徹底されているか
安心してベッドを預けるためには、衛生管理の整った施設を選ぶことが不可欠です。館内の定期清掃はもちろん、換気が行われているか確認しましょう。
衛生管理が徹底されていれば、害虫やカビのリスクを最小限に抑えられます。
トランクルームのベッド・マットレス保管は準備・環境選びがすべて!
ベッドやマットレスをトランクルームに保管する際は、状態を維持するためにも、事前準備と環境選びが欠かせません。改めて、各種チェックポイントをおさらいしましょう。
- フレームは分解して清掃する
- マットレスは乾燥&クリーニング(掃除)をして、カバーを付けて梱包する
- 保管の際は壁から10㎝ほど離し、横向きで設置する
- 除湿剤や防虫剤で対策する
- 空調完備、定期清掃などが実施されるトランクルームを選ぶ
- 搬入経路やエレベーターの有無もチェックする
これらを実践することで、カビや劣化を防ぎ、安心してベッドを預けられる環境を整えられるでしょう。

