トランクルームは、一部の店舗でのみDIY作業が許可されています。しかし、許可されているからと言って、理想的な環境が整っているとは限りません。
そこで今回は、DIYが可能なトランクルームの選び方や作業時の注意点について解説します。DIYができる、おすすめのトランクルーム業者3選も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
自宅外でのDIY作業は制約が多いため、トラブルに発展しないよう基本的な知識を身に付けておきましょう。
【結論】トランクルームでのDIY作業は許可された店舗で可能

トランクルームでのDIY作業は、「作業用」として貸し出されたワークスペースでのみ可能です。
一般的なトランクルームでは、原則として以下が禁止されています。
- 室内での宿泊
- 荷物の搬入出以外での用途
- 室内を勝手に改造する行為
つまり、どのトランクルームでもDIY作業ができるわけではありません。あくまでも作業用として貸し出された一部のトランクルーム(ワークスペース)でのみ、DIY作業が許可されます。
DIYを目的に利用する場合は、事前に利用規約や設備環境を確認することが重要です。
DIY作業ができるトランクルームの選びのポイント5つ

DIY作業をトランクルームで行う場合、すべての施設が適しているわけではありません。特に電源や換気といった設備面や、利用規約に明記されている条件を事前に確認することが重要です。
ここでは、失敗しないための5つのチェックポイントを紹介します。
ポイント① 電源(コンセント)の有無を確認する
DIYでは電動ドリルや丸ノコなどの工具を使用するため、電源(コンセント)は欠かせません。作業用(ワークスペース)タイプのトランクルームの場合、電源が設置されているのが一般的です。
ただし、すべての物件に設置されているとは限りません。契約前に実際の設備を見学し、電源の有無や配置、アンペア数など利用環境を確認しましょう。
ポイント② 換気設備と作業内容のマッチング
塗装や接着作業など、匂いや化学物質を伴うDIYでは換気が非常に重要です。ガレージタイプの場合、室内の奥まで換気を十分に行えない可能性もあります。
作業内容と設備の相性を考えた上で、トランクルームを選びましょう。もちろん、規約の内容にも目を通し、行いたい作業を実施できるかも確認してください。
ポイント③ 24時間利用可能かチェックする
DIY作業はまとまった時間が必要になるため、24時間利用できる施設が望ましいです。日中だけの利用制限がある施設では作業が中断される可能性があり、計画的に進めにくくなります。
深夜や早朝でも使える環境を選べば、自分のペースで作業を進められるでしょう。
ポイント④ 作業用(ワークスペース)やガレージタイプを優先的に探す
トランクルームには多種多様な種類があり、作業用(ワークスペース)・ガレージタイプでなければDIY作業ができません。
【トランクルームの主な種類】
| 種類 | 特徴 | 用途 |
| 屋内型 | ・空調完備 ・エレベーターや台車あり ・店舗数が多い ・容量の幅が広い | 荷物の収納 |
| 屋外型 | ・換気設備あり ・料金が安い ・車の横付け可能 | 荷物の収納 |
| バイクヤード | ・バイク専用の収納設備 ・備品用収納の設備あり ・照明設備あり | バイクの収納 |
| 宅配型 | ・宅配で荷物を預け入れ ・アプリ等で管理できる ・料金は1箱単位が一般的 | 荷物の収納 |
| 屋外型(ガレージタイプ) | ・収納力が高い ・店舗によっては電源あり ・多用途で利用できる | ・荷物の収納 ・車両の収納 ・各種作業(DIYなど) |
| ワークスペース | ・テーブル/照明/空調/電源など各種設備あり ・賃貸住宅くらいの料金 | ・DIY ・事務作業 ・荷物の収納 |
ガレージタイプやワークスペースであっても、規約によっては作業内容が限定的です。特にワークスペースの場合、事務作業を想定しているケースもあるので注意してください。
ポイント⑤ 契約前に利用規約でDIYの可否を必ず確認
最後に、必ず確認しておくべきなのが利用規約です。設備が整っていても、規約でDIY作業が禁止されていれば利用できません。
違反すると契約違反として罰金や強制解約になるリスクもあります。必ず契約書をチェックし、不明点は事前に業者へ問い合わせておきましょう。
トランクルームでDIYを行う際の注意点

トランクルームをDIY作業の場として使う場合、通常の収納利用とは異なるリスクや制約があります。安全性や近隣への配慮を欠くとトラブルにつながるため、事前に注意点を理解しておきましょう。
注意点① 電動工具などの騒音問題への配慮
電動ドリルや丸ノコなどの工具は大きな騒音を発生させます。防音性の低い施設では近隣への迷惑となり、クレームや契約違反の原因になりかねません。
作業は日中の時間帯に限定する、防音マットや遮音パネルを利用するなど、大きな音を立てる場合は配慮が求められます。
注意点② 塗料や接着剤などの匂い対策
塗装作業や接着剤の使用は強い匂いを伴い、換気不足の施設では健康被害を招く恐れがあります。DIYが許可されているトランクルームであっても、換気設備の有無や性能は必ず確認してください。
さらに、臭いを伴う作業ができるかも事前確認が必須です。DIY可のトランクルームは、解約時に原状回復が求められます。
解約時の負担が大きくなるリスクもあるため、臭いについての確認は欠かせません。
注意点③ 火気の使用は原則として厳禁
トランクルームは倉庫として設計されており、火気の使用は厳しく禁止されています。溶接やバーナーを使用した作業は火災の危険が高いため絶対に避けましょう。火気を伴う作業は専門施設を利用してください。
注意点④ 作業で出たゴミの処分
木材の切れ端や塗料缶など、DIY作業では大量のゴミが発生します。多くのトランクルームではゴミを持ち帰ることが義務付けられており、現地で廃棄できない場合がほとんどです。事前に処分方法を考え、自治体のルールに従って分別・廃棄しましょう。
注意点⑤ 退去時の原状回復義務を忘れない
DIY作業で床や壁に傷や汚れを残した場合、退去時に原状回復を求められることがあります。契約内容によっては修繕費が発生するため、保護シートを敷くなど事前の対策が有効です。
安心して利用を続けるためにも、最初から原状回復を意識して作業を行いましょう。
DIY作業におすすめのトランクルームサービス3選

ここでは、DIY作業にも対応可能なトランクルームサービスを3社紹介します。いずれもガレージタイプや屋外型を展開しており、作業スペースや設備面でDIYとの相性が良いのが特徴です。
ただし、物件ごとに条件が異なるため、契約前に公式サイトや業者への連絡で確認しましょう。
加瀬のレンタルボックス
加瀬のレンタルボックスでは「ワークトランク」が提供されており、DIYはもちろん趣味・仕事など多用途で利用できます。
| 運営会社 | 株式会社 加瀬倉庫 |
| 月額料金の目安 | ・屋内型:約7,000~9,000円/帖 ・屋外型:約5,000円/帖 ・ワークトランク:11,000円/室~ |
| 初期費用 | 約2ヶ月分の月額料金 |
| 契約後の手数料 | – |
| 保証サービス | – |
| タイプ | ・屋内型 ・屋外型 ・バイクヤード ・ワークトランク(作業用スペース) |
| サイズ目安 | 0.2~20帖 |
| 最低利用期間 | 1ヶ月 |
| 解約違約金・手数料 | なし ※当月中の解約手続きは不可(解約予定月の前月末に手続き) |
| 保証人 | 不要 |
| 補償限度額 | – |
| 24時間利用の可否 | あり |
| 主な設備 | ・空調(屋内) ・換気口(屋外) ・移動式の階段(屋外) ・セキュリティ対策 ・駐車場 ・大型スロープ(バイクヤード) ・油圧ダンパー(バイクヤード) ・電源(ワークトランク) |
| 店舗スタッフ常駐 | なし |
| 利用開始までの期間 | 2~6日 |
| 見学の可否 | なし |
| 国内店舗数 | 約1,700件 |
| 支払い方法 | ・クレジットカード ・口座振替 |
※月額料金や設備は店舗により差がある
※2025年9月時点
加瀬のレンタルボックスのワークトランクは、一時的な資材置き場に利用できるほどの広さがあります。電源(コンセント)も設置されているため、必要に応じて電動工具なども使用できます。さらに、利用時間の制限もなく、自由度の高さが魅力です。
ただし、振動や音の大きな作業は、周囲への迷惑になるためできません。空調設備もないため、自前のポータブルクーラーなどの用意も必要です。
- 衣裳部屋や資材置き場、作業用など用途は自由(居住を除く)
- 電源を使った作業も可能
- 24時間いつでも利用可(早朝・深夜は周囲への配慮が必須)
ライゼボックス
ライゼボックスでは、趣味・作業用のトランクルーム「ライゼホビー」が提供されています。稼働率97.6%と人気が高いため、申し込みの際は早急に問い合わせましょう。
| 運営会社 | 株式会社ライゼ |
| 月額料金の目安 | ・屋内/屋外:約6,000円/帖~ ・ライゼホビー:23,100円/室~ |
| 初期費用 | ・当月+翌月分の賃料 ・事務手数料:3,000円 |
| 契約後の手数料 | – |
| 保証サービス | – |
| タイプ | ・屋内型 ・屋内型(作業用/ライゼホビー) |
| サイズ目安 | 1帖~ |
| 最低利用期間 | 1ヶ月 |
| 解約違約金・手数料 | なし |
| 保証人 | 不要 ※緊急連絡先は必要 |
| 補償限度額 | 30万円 ※自動付与される保険 |
| 24時間利用の可否 | あり |
| 主な設備 | ・空調設備 ・換気設備 ・セキュリティ対策 ・駐車場 ・荷物用リフト ・照明 ・フリーラック ・電源/トイレ/エアコン/ネット/シンク(ライゼホビーのみ) |
| 店舗スタッフ常駐 | なし |
| 利用開始までの期間 | 最短当日 |
| 見学の可否 | あり |
| 国内店舗数 | 480件 |
| 支払い方法 | ・初期費用:クレジットカード ・月額料金:口座振替 |
※月額料金や設備は店舗により差がある
※2025年9月時点
ライゼボックスのライゼホビーは、一般的な賃貸物件のような設備(エアコン・シンク・トイレなど)がそろった施設です。DIYはもちろん、事務所や趣味部屋としても活用できます。メゾネットタイプの場合は個別のシャッターガレージもあり、荷物の運搬も可能です。
ただし、月額料金10万円を超える店舗も多いため、予算とのバランスを考慮して契約すべきか判断しましょう。
オレンジコンテナ
オレンジコンテナは電源付きのトランクルーム(ルームタイプ)が提供されており、軽作業であれば行えます。
| 運営会社 | アパルトマンイクシーズ株式会社 |
| 月額料金の目安 | ・屋内:約2,000円/帖~ ・屋外:約1,100円/室~ |
| 初期費用 | ・初回保証手数料:月額料金×50%+税 ・事務手数料:月額料金1ヶ月分 ・退去時清掃費:3,300円 ・当月利用料(日割計算) ・翌月利用料 ・当月管理料:1,650円 ・翌月管理料:1,650円 ・当月月額保証料:月額料金×5.2% ・翌月月額保証料:月額料金×5.2% ・南京錠代:6,600円 ・当月安心パック:550円 ・翌月安心パック:550円 ・スターターパック:11,110円 |
| 契約後の手数料 | – |
| 保証サービス | – |
| タイプ | ・屋外型(コンテナタイプ) ・屋外型(ガレージ/ルームタイプ) ・バイクヤード ・サーフボード専用トランク |
| サイズ目安 | 0.5~8帖 |
| 最低利用期間 | なし (1ヶ月未満の解約でも1ヶ月分の料金発生) |
| 解約違約金・手数料 | なし |
| 保証人 | 必要 ※指定の保証会社に加入する場合は不要 |
| 補償限度額 | – |
| 24時間利用の可否 | あり |
| 主な設備 | ・セキュリティ対策(防犯カメラ) ・電源 ※有無は店舗により異なる |
| 店舗スタッフ常駐 | なし |
| 利用開始までの期間 | 最短当日 |
| 見学の可否 | あり |
| 国内店舗数 | 約470件 |
| 支払い方法 | ・クレジットカード ・口座振替 |
※月額料金や設備は店舗により差がある
※2025年9月時点
オレンジコンテナのルームタイプには電源付きのコンテナがあり、電動工具を用いた作業ができます。他社と比べて料金が安く、初めてトランクルームを利用する人におすすめの業者です。
ただし、空調設備がないため、夏・冬などの季節は対策が欠かせません。
- 低額から利用しやすい
- 事前に見学できるため、理想の環境か確認できる
- 最短当日から利用可、最低利用期間なし、手軽に利用しやすいシステム
オレンジコンテナは多様な物件タイプを展開しており、DIY用途にも対応可能なケースがあります。ガレージタイプや屋外型では電源や換気などの条件を備えている場合もあり、作業スペースとしても利用しやすいのが特徴です。契約前には規約や条件を確認し、用途に合うかを見極めることが重要でしょう。
トランクルームのDIYは「予算と設備のバランス」を考慮しよう!
トランクルームは本来、荷物を保管するためのスペースですが、条件を満たせばDIY作業にも利用可能です。ただし、すべての施設で認められているわけではなく、規約や設備環境の確認が欠かせません。
また、DIYなどの作業ができるトランクルームは、通常の倉庫・コンテナに比べて料金が高い傾向にあります。設備の充実度が高いほど高額なため、予算と設備のバランスを考慮しましょう。
さらに、トランクルームの立地によっては、早朝・深夜の作業が周囲の迷惑になるケースもあります。立地環境やルールなども確認しつつ、用途に合うトランクルームを見つけてください。

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