トランクルームは料金・サービスだけでなく、「セキュリティ(防犯)性能」も確認しましょう。業者が管理する倉庫といえど、窃盗被害を必ず防いでくれる保証はありません。
窃盗被害に遭うリスクを抑えるためにも、本記事で解説するトランクルームのセキュリティ(防犯)性能について目をとおしておきましょう。
今回は、タイプ別(屋内・屋外・宅配型)の防犯性や安心できるトランクルームの選び方、避けるべき業者の特徴などを解説します。大切な荷物を長期的に守り、金銭的・精神的な損害を受けないためにも、トランクルームのセキュリティ(防犯)性能について理解を深めましょう。
【タイプ別】屋内型・屋外型・宅配型トランクルームの防犯性の違い

屋内型・屋外型・宅配型トランクルームのセキュリティ(防犯)対策について、それぞれの特徴から違いを解説します。
屋内型トランクルームの特徴・おすすめの人
屋内型トランクルームのセキュリティ(防犯)の特徴から見ていきましょう。
- 建物の内部にあり、部外者は侵入しづらい
- 監視カメラ、入退室管理システム(セキュリティカード)を導入する業者が多い
- 大手業者では、警備会社と提携するケースもある
屋内型は鍵やセキュリティカードが導入されるため、部外者が勝手に侵入できない仕組みです。さらに、大手業者では警備会社と提携されており、侵入者に対して迅速に対応できる体制が構築されています。
また、広さのバリエーションが豊富で空調設備が完備されるなど、多種多様な荷物を安全に預けられる環境です。
以上のことから、屋内型トランクルームは以下の人におすすめできます。
- 家具/家電や衣類、書類をまとめて預けたい
- 女性でも安心して利用できる倉庫を借りたい
- 思い出の品を安全な場所に保管したい
屋外型トランクルームの特徴・おすすめの人
屋外型トランクルームのセキュリティ(防犯)の特徴から見ていきましょう。
- 監視カメラや照明が設置されるケースが多い
- 各倉庫(コンテナ)の扉は鍵で施錠できる
- 警備会社のシステムが導入される業者もある
- 大手業者の場合、幹線道路沿いに設置される傾向にある
屋外型はコンテナを敷地内に設置する形式が一般的で、車により直接搬入できる利便性が魅力です。空調設備はありませんが、屋内型より低額で利用できます。
しかし、屋外にあるため不審者の侵入リスクが高く、防犯カメラ・照明の有無が重要なチェックポイントとなります。契約する際には「周辺環境が明るいか」「人通りがあるか」も確認し、安全性を確保することが欠かせません。
以上のことから、屋内型トランクルームは以下の人におすすめできます。
- キャンプ道具や釣り道具など、レジャー用品を預けたい
- 引越し当日まで、一時的に大型家具を預けたい
- 低コストで大量の荷物を預けたい
宅配型トランクルームの特徴・おすすめの人
宅配型トランクルームのセキュリティ(防犯)の特徴から見ていきましょう。
- スタッフ常駐で部外者は侵入できない
- 利用者も倉庫内に入れない
- 人感センサーや監視カメラ、警備システムが導入される
宅配型は荷物を専用ボックスに詰め、運営会社の倉庫で一括管理する仕組みです。ダンボール1箱単位で料金が決まるケースが多く、低額(数百円単位)で利用できます。
セキュリティ面においては、利用者が現地に出入りしないため、不審者侵入のリスクが極めて低いのが特徴です。倉庫にはセキュリティシステムが導入され、監視体制も強化されている場合が多く、防犯面で安心度が高いといえます。
- 少量の荷物を預けたい
- 低コストかつ厳重警備の倉庫を利用したい
トランクルームの主なセキュリティ(防犯)対策

トランクルームの主なセキュリティ(防犯)対策をご紹介します。安全性を考慮する際は、各設備が導入されているか確認しましょう。
監視カメラの設置
監視カメラはトランクルームの基本的なセキュリティ対策です。屋内型ではエントランスや通路に複数台設置され、24時間録画されるケースもあります。
屋外型でも敷地全体を見渡せる位置に配置されていれば、犯罪抑止効果が期待できます。
トランクルームを事前見学する際は、監視カメラの死角がないか、録画機能はついているか確認しましょう。
設置台数が多く、死角が少ないほど安心度は高まります。
警備会社との連携(SECOMやALSOKなど)
大手警備会社と提携しているトランクルームは、異常が発生した場合に警備員が迅速に駆けつける仕組みが整っています。監視カメラとセンサーを組み合わせることで、24時間体制の監視が可能です。
特に思い出の品や重要書類を預けたい場合には、このような警備会社連携のある施設を選ぶと安心です。
入退室管理システム
入退室管理システムは、利用者のみを屋内型トランクルームに入室させる仕組みです。部外者の侵入を防ぐため、高い防犯性能に期待できます。
システムには以下の種類があります。
| システムの種類 | 特徴 |
| カードキー | ・カードキーは契約後に受け取る ・ピッキング被害に遭うリスクを軽減 ・紛失時は再発行可能 |
| スマートロック | ・スマホを使って解錠 ・アクセス権を付与できる ・鍵やカードを紛失するリスクがない ・鍵やカードを受け渡す手間がない |
| QRコード | ・QRコードをリーダーにかざして解錠 ・鍵やカードを紛失するリスクがない ・鍵やカードを受け渡す手間がない |
防犯性能を重視する場合は、上記のようなシステムが導入されているか確認しましょう。物理的な鍵の場合、ピッキングやスペアキーによる侵入のリスクがあります。
さらに、紛失時は鍵の再発行、鍵穴の付け替えなどの手間・費用がかかり、防犯・コスト的にもおすすめできません。
スタッフの常駐や定期巡回
スタッフが常駐している、または定期的に巡回している施設は、不審者が入りにくく安心感があります。清掃も実施されるため清潔感があり、荷物にホコリ・汚れが付くリスクも抑えられるでしょう。
ただし、スタッフ常駐型のトランクルームは数が非常に少なく、大手業者では「キュラーズ」しか導入されていません。
セキュリティ(防犯)で安心できるトランクルームの条件5つ

防犯面で安心できるトランクルームの選び方を5つのポイントにわけて解説します。
チェックポイント① 監視カメラの設置台数と場所
監視カメラは、エントランスだけでなく、通路・駐車場・エレベーター周辺などに複数台設置されている施設を選ぶべきです。死角があると不審者が侵入しても映像に残らない可能性があるためです。
大手の屋内型トランクルームではフロアごとにカメラを設置し、24時間録画を行っているため、犯罪抑止効果が高まります。防犯カメラは「どこに」「いくつ設置されているか」を確認し、死角の少ない施設を選ぶことが安心につながります。
チェックポイント② 24時間体制の監視システムはあるか
24時間体制の監視システムは、トラブル発生時に迅速な対応を可能にする重要な要素です。監視カメラがあっても、スタッフによる対応が遅ければ防犯効果は薄れます。
警備会社と提携している業者では、異常が検知されると自動で通報され、警備員が駆け付ける仕組みが整っています。長期的に大切な荷物を預ける場合は、監視システムや警備会社の駆け付けサービスがあるかを必ず確認しましょう。
チェックポイント③ 入退室管理システムが導入されているか
カードキーや暗証番号入力に加え、最近ではスマホアプリを使ったスマートロックなど、利便性とセキュリティを両立しています。たとえば、利用者ごとに発行されるICカードや個別の暗証番号であれば、不正利用を防ぎやすくなります。
一方、屋内型でありながら、物理的な鍵を使用する倉庫はピッキングのリスクがつきまといます。契約前には必ず、どのような入退室管理を導入しているのかをチェックし、自分の利用目的に合ったセキュリティレベルを選びましょう。
チェックポイント④ 照明の明るさや立地
屋内・屋外型に係わらず、照明により明るく照らされた店舗は、不審者を遠ざける効果に期待できます。夜間でも明るい場所は人の目に付きやすく、侵入を試みる不審者を遠ざけます。
特に屋外型トランクルームは部外者でも敷地内に侵入しやすい構造なので、照明と数と明るさを事前に確認しましょう。
また、幹線道路沿いや人通りの多い道路など、目立つ場所にある店舗も同様、不審者を遠ざけやすい環境です。荷物を取り出した後に襲われるリスクを下げられるため、照明・立地条件もチェックすべきポイントです。
チェックポイント⑤ 万が一の盗難補償(保険)の有無
最後に確認したいのが、盗難補償や保険制度の有無です。防犯設備が整っていても、リスクをゼロにすることはできません。
補償制度がある業者であれば、万一の場合の経済的損失を軽減できます。たとえば、補償限度額が設定されている業者では、盗難や火災被害が発生した際に一定額が補填されます。
ただし、補償対象となるのは、業者の規約で定められた荷物に限ります。規約で禁止されるもの(現金や貴重品、違法なもの)は補償対象外となるため注意しましょう。
【防犯面で要注意】避けるべきトランクルームの特徴

トランクルームによっては、十分なセキュリティ(防犯)対策が施されず、利用者のリスクを軽減できないケースもあります。次項では、防犯面から避けるべきトランクルームの特徴を解説するので、契約前に目をとおしておきましょう。
監視カメラがない(設置台数が少ない)
監視カメラの設置がない、または極端に少ない施設は侵入窃盗のリスクを下げられません。犯罪抑止効果が弱まり、万が一のトラブル時に証拠が残らない可能性もあります。
特に屋外型コンテナでカメラが1台しかないような場合は死角が多く、セキュリティ面に不安が残ります。公式HPに「監視カメラあり」と記載されていても、事前見学で台数・死角の有無を確認しましょう。
店舗周辺の人通りが少ない・暗い
人通りが少ない立地は不審者にとって侵入しやすい環境です。外灯の少ないエリアは、夜間になると店舗周辺が閑散とし、不審者のターゲットにされかねません。
契約前は昼夜両方の環境を確認し、周辺が静かすぎる場所や監視の目が届かない場所は避けたほうが安心です。
スタッフの定期巡回がない
スタッフの定期巡回がない業者は、不審者を長時間とどめるリスクを高めます。巡回があるだけでも不審者に警戒心を与え、犯罪抑止効果を高められます。
契約時には「どのくらいの頻度でスタッフが巡回しているのか」を確認し、管理が行き届いていない業者は避けた方が賢明です。業者の公式HPにはセキュリティ対策についての記載があるため、必ずチェックしましょう。
トランクルームのセキュリティ(防犯)性能は公式HPと見学でチェック
トランクルームを安心して利用するためには、料金や立地だけでなく「防犯性」を確認することが不可欠です。特に屋外型トランクルームは敷地内に侵入しやすい構造なため、業者の公式HPでセキュリティ体制に目をとおしましょう。
また、屋内型であっても、「入退室管理システムがない」「監視カメラの数が少ない」といった場合、侵入窃盗のリスクを高めます。警備会社との提携、スタッフの定期巡回などの有無も確認しつつ、実際の店舗を見学して安心できる環境か判断してください。
安全なトランクルームであれば、お金に換えられない大切な荷物を長期的に守り、金銭的・精神的な損害から防いでくれるでしょう。

